僕らが物語を語るとき、必ず現実はそこにいる……
人気若手舞台俳優、片桐は主演舞台の稽古に励んでいた。
片桐の所属する劇団員たちは、
演出家・佐竹に振り落とされるかもしれないという恐怖に怯えながらも、
その狂気をはらんだ演出に心酔していた。
そんな稽古が続く中、片桐は自分を慕う後輩俳優の清に
「俺が居なくても芝居続けるか?」と問う。
そして公演直前に突然降板を告げ姿を消す片桐。
その理由は片桐の口から語られることはなく、周囲は戸惑う。
結局、舞台公演は中止となった。
突然の出来事に混乱し、清の心は揺れる。
清は答えを求め、地元の幼馴染であるナオの元を訪れる。
夢の実現のために働くナオは、
ファッションショーのリハーサルの真っ最中だった。
優しさが込められたナオのキツイ言葉にも
清が求める答えはない。
茫然とリハーサルを眺める清の前に突然現れる片桐。
「遊ぼう」と片桐の生まれ故郷である沖縄に清を誘う。
そこには、片桐の兄貴分、そして片桐のただ一人の友がいた。
東京と沖縄を舞台に繰り広げられる現実と幻想の世界。
二人がたどり着いた「真実」とは……?